秋せつら

【あき・せつら】

●《魔界都市ブルース》あるいは《マン・サーチャー・シリーズ》の銘で綴られる魔界都市<新宿>の物語の主人公。常に黒いコートを身に纏うその姿を、"黒い美影身"などと表現される美貌の青年。

●創業150年以上を誇る老舗・秋せんべい店を、西新宿4丁目の一角で営む。せつらは三代目になるらしい。副業で、秋DSM(ディスカバー・マン)センターという屋号で人捜し業も行っており、その腕前は"新宿一"との定評がある。

●"妖糸"と呼ぶ、直径1ナノメートルのチタン合金製の糸を操る。対象物を切断、拘束できるだけでなく、様々なタイプのセンサーとしても使用できる。また、人間などの体内に糸を侵入させ対象を意のままに操るなど、その使用法は実に多彩。

●"僕"と"私"という二つの人格を持つ。前者の時のせつらは茫洋とした風情もあり、ジョークも口にする比較的温和な人格だが、後者のせつらは敵と見なした相手には、冷徹非情を絵に描いた慈悲無き鬼神と化す。"僕"の時の力も侮れないが、"私"になった時の戦闘力はそれを遥かに凌駕する。この二つ以外にせつらには"第三の人格"も確認されており、あのドクター・メフィストですら敵対することを拒む"最強最悪"の存在となるらしい。

●《魔界都市ノワール》シリーズの秋ふゆはるはいとこ(従兄)にあたる。

●せつらの初登場は『SFアドベンチャー』誌(1985年2月号)掲載の短編『人形使い』。いわゆる"パイロット版"的なお話だ。この時の服装は「ブルーのタートル・ネック・セーターとストレート・ブルージン」に「茶のコーデュロイ・ジャケット」。今やすっかりトレードマークとなっている黒いコートの"コ"の字も出て来ないのは、まだ、メフィストのほうに"黒いマント"というイメージがあったからなのか。ちなみにせつらの「僕」と「私」の二面性は、この時から既に現出している。

ま・とりっぷ 魔界都市ガイド

30年ぶりにマイブーム化しつつある菊地秀行先生の世界、なかでも世界に名だたる魔界都市、新宿に関する様々な情報をつらつらと整理していきたいと思います。リアルタイムに揃えていたセンセの著書は40歳を前に、一度すべて手放してしまったので、あらためて入手しているところです。古いデータからのまとめになるので、新たな情報に出くわし次第、アップデートしていくことになるでしょう。

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